Hydra


Hydraとは?
HydraはCardanoのL2ソリューションです。 世の中の多くのL2の目的が「ブロックチェーンのトリレンマ解決」であるように、HydraもCardano L1の性能UPを目的に開発されました。
Hydraはオフチェーンという種類のL2で、大多数の処理はオンチェーン外で行い、最終的な処理結果は安全にL1へと反映されます。
高速なトランザクション処理能力
Hydraの特徴として特に目を引くのがミリ秒オーダーで実行されるトランザクション処理性能です。 Hydraには「ブロック生成待ち時間」が存在しない為、トランザクションは即時に処理されます。
また、世界中で稼働するCardanoノード間の物理的距離。ネット回線の混み具合。トランザクション集中の波...など、L1では数多くの要素がトランザクション処理速度へと影響を及ぼします。 対してHydraは少数のノードがHydra Headと呼ばれる小規模なクローズドネットワークを構築してトランザクションを処理する為、L1に比べ安定したネットワーク環境を実現しやすい事も挙げられます。
Hydraが適したユースケース
Hydraの特徴を整理
改めてHydraの特徴を整理してみますと
- Hydraでは高速なL2トランザクションが実行できる
- Hydraの開始、終了時等ではL1へ結果を反映するL1トランザクションが発生する
- このL1トランザクションはこHydraのL2トランザクションよりは高速ではありません
- HydraのL2トランザクション手数料は0~任意の額に設定できる
これらの特徴は、短期間に少額のトランザクションが高頻度に発生するマイクロトランザクション(マイクロ ペイ)用途に特に適していると考えます。
オークションシステム
こちらはHydra公式ドキュメントで紹介されているユースケースです。
白熱した競り合いが人気の1つでもあるオークションシステムはHydraの特徴と非常に相性が良いシステムです。
イベント | Hydra | Hydra備考 |
---|---|---|
オークション開催告知 | Hydra Head Initialize | 参加者の支払い能力確認(ADA残高) 口座のロックが可能 |
入札期間の開始 | Hydra Head Open | 以降、Hydra Head参加者は入札可能 |
入札 | L2 Transaciton | 高速なL2により白熱した入札が即時に可能 |
落札 | Hydra Head Close | 入札期間の終了 |
検証 | Hydra Head Contest | L2決済結果の検証、合意 |
支払い | Hydra Head Fanout | L2決済結果の確定 L1への反映 |
IoTシステム
Hydraが持つ高いリアルタイム性は、従来のブロックチェーンでは実現が難しかったIoTデバイスとのリアルタイム連動も可能とします。
例としては
- L2決済をトリガーにモーターを駆動するSmart Gacha
- L2スマートコントラクトで電子錠を開閉錠するスマートロック
など、現実世界においてトランザクション速度が利便性に直結するユースケースにおいてHydraは非常に相性が良いと考えられます。